展示室は4つの部屋に分かれています。展示室1では、漆紙文書の謎に迫る展示。赤外線によって文字が浮かび上がる「漆紙文書」が見られます。展示室2では最北の古代城柵とされる秋田城はどのように存在していたのか、その謎を追ってきた過程について展示しています。秋田城はどんなものだったのか、好奇心が刺激されるはず。
展示室3には秋田城を模型で解説するコーナーがあり、秋田城を象徴する「瓦」も実際に見学できます。展示室4ではいよいよ、出土されたたくさんの遺物が登場!平安時代の最新鋭とされていた「非鉄製小札甲」(鉄ではなく動物の皮で作られた甲)が、実物大の模型で展示されています。
また、この展示室4では赤外線で文字が浮かび上がる「漆紙文書」を、なんと実際に赤外線をあてて体験できるコーナーも!全国でこの秋田城跡歴史資料館のみなので、非常に貴重な機会ですね。
資料館で知識を深めたら、ぜひすぐそばにある史跡公園へ。4月~11月までであれば、史跡公園管理棟に常駐している「秋田城跡ボランティアガイドの会」の方が、当時の姿を復元した史跡公園について無料で案内してくれます。団体で訪れる場合は、秋田城跡歴史資料館への申込みが必要ですので、お忘れなく!
資料館から徒歩5分ほどの位置にあるのが、秋田城の中枢部となる「政庁」。秋田城創建期の頃の政庁を復元しています。区画されたそのなかにある大きな建物跡が正殿と呼ばれ、その広場で儀式などが行われたのだとか。天気がよければ、この正殿の南側に鳥海山をのぞめるそうで、絶好の撮影スポットになるかも!
ほかにも、二重構造でつくられた秋田城の、外側の区画にあった「外郭東門」、寺院など大型の建物があったとみられる「鵜ノ木地区建物群」のエリア、そして自然地形をうまく利用してつくられた奈良時代最新鋭の「古代水洗トイレ」まで、復元された姿を実際に見ることができます。資料館で展示や資料を見て学ぶからこそ、まるで秋田城がそこにあった時代にタイムスリップしたかのような感覚を楽しめるのではないでしょうか。
「秋田城跡歴史資料館」ではただ単に見学を楽しむだけではなく、さまざまな秋田城イベントを開催しています。
これまでの調査結果について詳しく聞ける「秋田城跡学習講座」や、史跡内の植物や鳥など、自然にふれあえる「史跡探訪会(自然観察会)」、そして小・中学生には、発掘調査を実際に体験できる「発掘調査体験教室」も!秋田城への好奇心を満たす、豊富なプログラムです。
夏と冬の年2回、テーマに沿った企画展示を開催しているほか、年に3回、秋田市内で場所を借りてパネル展を行っています。詳しくはぜひ秋田市立秋田城跡歴史資料館のホームページでチェックしてくださいね。
さらに、10月には「東門ふれあいデー」として、地域のみなさんが企画したフリーマーケットなどのイベントも開催!イベントにあわせて訪れるのもよさそうですね。もしかしたら、マスコットキャラクター「秋麻呂(あきまろ)くん」(写真)に会えるチャンスもあるかもしれません。
秋田城をとりまく歴史を深く探訪できる「秋田市立秋田城跡歴史資料館」。秋田城跡を復元した史跡公園とあわせて訪れることで、当時のくらしをリアルに体感できる、貴重なスポットですね。秋田城の歴史を知る手がかりが多くあるとして、現在も調査を継続しているとのこと。
定期的に足を運んで、その調査の行方をチェックするのも楽しそうです!ぜひご家族で足を運んでみませんか?