盛岡から国道455号線を久慈方面へ車で約2時間。標高約600mの宇霊羅山(うれいらさん)のふもとに「龍泉洞」はあります。国の天然記念物に指定され、総延長は5,000m以上とも考えられている巨大な鍾乳洞です。現在までに確認されている洞窟の長さは3,600mで、そのうち公開されているのは700mほど。迷路のように入り組んだ洞窟のなかを探検気分で見学できます。
鍾乳石が1cm成長するのにかかる時間は約50年にもなるそう。これほど巨大な鍾乳洞ができるまでには、とてつもなく長い時間がかかっているのです。洞内の気温は年間を通して10℃前後。ひんやりと涼しいので、夏でも羽織るものを持って行くのがおすすめです。また足元が滑りやすく、狭い道や急な階段などもあるので、歩きやすい靴で出かけましょう。
洞内に入ると、まずは「百間廊下」と呼ばれるエリアを進みます。人がひとり歩けるくらいの細長い通路で、その昔、龍が通ってできたという逸話も。左右から迫ってくるような鍾乳石の迫力に圧倒されます。
さらに進むと、目の前に広がるのは「月宮殿」と呼ばれる空間。天井からつららのような鍾乳石が無数に伸び、さまざまな色の照明でライトアップされたごつごつした岩肌は、幻想的な雰囲気です。周辺には、長い年月をかけてできたユニークな形の鍾乳石がいっぱい。
お地蔵さんに似た「地蔵岩」、ライオンのような「守り獅子」など、珍しい鍾乳石が見られます。「月宮殿」を順路の反対側から見ると、ハートの形に見える場所も。先に進む前に振り返って確かめてみてくださいね。
龍泉洞の見どころは、3つの地底湖です。地底湖に湧き出す水は「龍泉洞」の北部にある森林から集まり、長い時間をかけて石灰岩によってろ過されます。不純物が取り除かれた水は透明度が高く、地底湖の底まですっきりと見渡すことができるのです。
1959年から調査がはじまった「第一地底湖」は水深約35mで、ずっと見ていると吸い込まれそうな美しさ。展望台からは水面を真下に眺めることもでき、静かに水をたたえた地底湖と、荒々しい鍾乳石が織りなす迫力満点の光景を楽しめます。展望台までは急な階段が続くので、頭上や足元に注意して上りましょう。
奥に進むほど地底湖は深くなっていきます。「第二地底湖」(写真上)は水深約38mで、洞内で一番広い地底湖。「第一地底湖」との深さの差は3mほどですが、より奥行きが感じられます。CMのロケ地として使われたこともあるので、ここで記念撮影をするのもおすすめです。
そして3つのなかで最も深いのが、水深約98mの「第三地底湖」。濃い藍色やエメラルドグリーンなどの色がつくるグラデーションはまさに絶景です。「第三地底湖」は観光コースの最終地点となっていますが、さらに奥にもいくつかの地底湖があることがわかっています。
龍泉洞のなかには、5種類のコウモリが生息しています。ひとつの洞内にこれほど多くの種類のコウモリが生息しているのは、国内でも珍しいそう。1938年には、龍泉洞とともに国の天然記念物に指定されています。洞内散策中、周囲を飛び回る姿や、天井や壁面にくっついて眠っている姿を見られるかもしれません。
コウモリが冬眠する時期には、スタッフと一緒にコウモリを探しながら洞内を巡るツアー「冬のコウモリうぉっちんぐ」も開催。冬眠しているコウモリを間近でゆっくりと観察できますよ。
「冬のコウモリうぉっちんぐ」のほかにも、「龍泉洞」ではファミリーで楽しめるツアーや季節ごとのイベントを多数開催。謎を解きながら宝箱を探す「龍泉洞大冒険」や、地元のグルメや郷土芸能が楽しめるお祭りもありますよ。ぜひ家族でおでかけしてみてくださいね。
洞窟探検がもっと楽しくなるアドベンチャーツアーや季節ごとのお祭りなど、イベントが盛りだくさん。
普段なかなか近くで見る機会のないコウモリを、間近で観察するチャンス。
龍泉洞の入口にあるカフェ「Ponte」では、ソフトクリームやコーヒーを味わいながらゆっくりと過ごせます。パスタなどの食事メニューも。
電話番号 0194-22-2566
営業時間 現在短縮営業中 2020年6月~当面の間AM10:00~PM4:00
定休日 無休
駐車場 あり(442台)