夏場のファッション素材などで、日本でもなじみの深いリネン。通気性がよく涼しい反面、シワができやすく、肌触りが悪いと感じる方もいるかもしれません。日本では、ラミー(苧麻)やジュート(黄麻)、ヘンプ(大麻)なども“麻”と呼ばれますが、リネンの本場・ヨーロッパでは、フラックス(亜麻)のみを指すそう。
フラックスは、天然繊維のなかでも特に強い繊維ですが、使い込むほどにとてもやわらかくしなやかになります。そして、吸水性はコットンの4倍ほど。質のよいフラックスは、北フランスやベルギーなどの限定された地域でのみ育つ貴重な素材です。
「ケンランド」では、その上質なフラックスだけを使いリネンニットをつくっています。通常リネンは、扱いづらくニット加工には向いていないといわれている素材。リネンの歴史が深いヨーロッパでも、織物加工するのが一般的です。
しかし、「ケンランド」では60年以上ニット会社として培ってきた経験による工夫と、代表の大沼秀一さんのリネンに対する熱い思いで、開発まで20年以上をかけてリネンニットを完成させました。リネンはニット編みされることで、軽くやわらかい仕上がりになり、シワもつきにくくなります。また、編むことで空気の層ができ、寒さの厳しい冬の山形でもあたたかく着ることができます。
この日は、普段見ることのできない工場を案内してもらいました。広い空間には、乾燥に弱いリネン糸のためにつくられた高湿度の保管専用部屋や、長年使われている大きな編み機などがあります。そのなかで職人さんたちは黙々と作業をしていて、工場内はとても静か。「リネンは収穫されたときの環境によって強度などがまったく違うから、毎回頭を使いながら作業しないといけない。だから自然と無口になるんですよ」と大沼さん。
ただ、工場内にある「ラボ」と呼ばれる空間は違います。デザイン改良や新商品のアイデアを出し合う場で、ここでは、大沼さんや職人さんたちの意見が飛び交うことも多いそう。「ケンランド」では専属デザイナーはおらず、スタッフ全員がデザイナー。新しいデザインは毎月20個ほど生まれます。
ここ数年は有名百貨店の期間限定ショップで商品を販売し、大沼さん自らが店頭に。売り場から直に工場へ連絡が入ることも多く、「スカート丈を数センチ長く」などお客さんの要望がすぐに活かされ、新しい商品が生産されます。常によりよい商品を生み出そうという、ものづくりへの思いが「ケンランド」にはあふれているのです。
「ケンランド」の工場と同じ敷地内に、自社ブランド「KENLAND LINEN(ケンランドリネン)」のコレクションが並ぶショップとショールームがあります。カーディガンや下着、マスクなどバラエティに富んだアイテムのなかで、オススメなのがリネンストールです。
首に巻いた瞬間、肌なじみのよさに驚きます。ゴワゴワ感がまったくなく、カシミアのようにやわらか。吸水性も高くすぐに乾くので、汗をかいてもサラッとさわやかに使えます。
リネンニットはシワがつきにくいので、旅行に欠かせないアイテムとして愛用している方も多いそう。カラー展開は春夏の明るい陽射しに映えるライムグリーンやピンクから、男性も使いやすいネイビーやブラックまで、なんと70色ほど。ファミリーで色違いでそろえるのもステキですね。
水にぬれるとさらに強度を増すリネンは、汚れても気軽に洗濯ができるので日用品にぴったりな素材。そのため、長く愛用できる上質なアイテムをプレゼントに選びたい方に、リネンニットのタオルとヘンプのマットが入ったギフトセットが人気です。
ストライプ柄がかわいいタオルは、使うほどにやわらかさを増します。フェイスタオルほどのサイズで、水分をよく吸い取るのでお子さんのバスタオルとしてもちょうどいい大きさ。ヘンプでつくられたマットは、吸水性や抗菌性が高いのでバスマットに最適です。ヘンプも「ケンランド」が手がければ、チクチク感がなく驚くほどなめらか。新生活のギフトとして選ぶ方がとても多いそう。
高品質なアイテムを長く愛用し、日常をていねいに暮らしたい方に「ケンランド」の商品はぴったりです。上質なリネンニットを生活に取り入れて、身近に“リネンがある暮らし”のここちよさを実感したら、手放せない大切なアイテムになりますよ。
熱湯をかけてから、もみ洗いがオススメです。
お湯に石鹸を溶かし、30分ほど浸してからもみ洗いしましょう。
まずはできるだけ早く、冷水で洗います。取れない場合は、塩を入れた冷水に浸してから、水洗いしてみて。