「大曲の花火」は、花火師たちにとっていわば“高校球児の甲子園”のようなもの。各社いずれも「日本一の花火」を目指して1年かけて制作した、とっておきの花火を持ち寄り、自らの手で打ち上げるのです。
花火の大きさや数量、打ち上げ時間など細かなルールがあり、それらを高いレベルで満たせば満たすほど、高得点が入ります。鑑賞する側にとっては、技術力の高い花火を数多く楽しめることが醍醐味でしょう。
より迫力のある花火を観たいのであれば「桟敷席やイス席での観覧」がオススメ。花火により近い最前列で観ることができますし、座るスペースどが用意されているため快適度も高めです。また、音楽とあわせて打ち上げられる花火「ミュージックスターマイン」用のスピーカーが近いため、花火をより迫力あるサウンドとともに味わうこともできます。
今年はすでに受付を締め切っているため、ぜひ来年に向けて検討してみましょう。ちなみに2017年から、「自由観覧エリア」へ入場する際も環境整備協力金として一人1,000円を負担することになりました。会場整備・維持にかかる費用が大きく、これによって一部を賄うシステムとなっています。
「花火といえば夜」と思いがちですが、実は「昼花火」という、日暮れ前に行う競技からスタートするんです。打ち上げるのは、色煙を駆使した「煙竜」という昼用の花火。紅や黄、青、緑、紫など鮮やかな煙が空に模様を描く様子は、昔から粋人が“通の花火”として好んでいたといいます。
審査ポイントは模様の複雑さや美しさや色の鮮やかさ。また「割物」といって、通常の花火のように、光の代わりに色煙によって牡丹や菊を表す種目もあります。いずれも明るい空に色煙の鮮やかな色彩が映え、夜の花火とはまた違った見応えがあります。
完全に日が沈んだ18:50ころに、いよいよ「夜花火の部」がスタートします。
プログラムは大きく2つで、「10号玉(直径約30cm)の部」と「創造花火の部」。「10号玉の部」では、同心円状に2重、3重と色を重ねた「芯入割物」という花火と、この1発目と重複しないようにセレクトした「自由玉」の、合計2発を打ち上げて競います。
「創造花火の部」では、従来の丸型ではなく創造性を追求したバラエティに富んだ花火を打ち上げます。設定したテーマに沿って、形や色、打ち上げるリズム感や、奥行きなどが評価対象です。
最終的に、優秀な花火には「内閣総理大臣賞」、「経済産業大臣賞」、「中小企業庁官賞」、「文部科学大臣奨励賞といった賞が授与されます。花火師たちは、1番の名誉である「内閣総理大臣賞」を目指して競いあうんですね。
ラストを締めくくるのが「大会提供花火」。これは大曲花火協同組合青年部が、あらかじめ設定されたテーマやイメージを音楽と花火で表現したもので、1年かけて制作されています。
会場の幅900mをいっぱいに使い切る迫力の「ワイドスターマイン」をはじめ、総数約2,400発が打ち上がります。トータルで約6分半のこのショーは大会の華で、例年競技会とはまた異なる盛り上がりを見せます。
そして、花火以外のお楽しみとして忘れてはならないのが、「屋台」です。“秋田のB級グルメ”として名高い横手やきそばなど、バラエティに富んだグルメが軒を連ねます。そのほとんどが観覧会場である雄物川河川敷運動公園に集中していますが、花火がはじまる直前の時間帯には大変混雑するので、購入はぜひおはやめに!狙い目は、15:00~16:30あたりです。
最後にアクセス手段について。当日は新幹線・高速道路を含め、すべての交通機関が大混雑します。また会場付近の道は競技がはじまる前から交通規制が敷かれ、許可証がないと車両通行ができなくなります。できれば午前中の内に会場入りし、屋台を楽しみながら花火を待つのがオススメ。
ぜひ今年の夏は、大迫力の「大曲の花火」を観に行ってみませんか?
全国の花火師が1年かけて準備した入魂の花火は、見応え満点。「どの花火が好みか」を基準に、自分で採点してみるのもまた楽しいですよ。
競技からは離れ「観客を楽しませること」を目的に打ち上がる花火は圧倒的な迫力があります。20:45ごろからのスタートなので、ぜひお見逃しなく。
例年、会場周辺ははやい段階から混雑がスタートします。前日から前乗りする人も少なくないので、ぜひ午前中には到着しておきたいところです。
開催場所 秋田県大仙市大曲雄物川河畔 大曲花火大橋下流河川敷
開催日時 2019年8月31日(土) 17:15~18:00(昼花火の部)、18:50~21:30(夜花火の部)
電話番号 0187-62-1262(「大曲の花火」実行委員会(大曲商工会議所内))