北上川がゆったり流れる中瀬に建つ「石ノ森萬画館」は、宇宙船のようなユニークな外観が特徴。この建物をデザインしたのが、石ノ森章太郎です。『サイボーグ009』や『人造人間キカイダー』など多くのマンガを創作し、「1人の著者が描いたコミックの出版作品が世界で最も多い」としてギネス世界記録にも認定。日本のマンガ草創期を支えた巨匠として知られています。
そんな石ノ森と石巻との縁は、少年時代にまでさかのぼります。石ノ森は1938年に宮城県登米郡中田町(現・登米市)で誕生。子どもの頃、映画を観に中田町から石巻へよく自転車でかよっていました。当時映画館があったゆかりの地が石巻の中瀬で、その思い出の地に2001年「石ノ森萬画館」がオープン。しかし残念ながらその完成を見ることなく、石ノ森は1998年に60歳という若さで世を去ります。
(C)石森プロ/街づくりまんぼう
館内に入ると受付では、『サイボーグ009』の姿をしたスタッフがお出迎え。1階はオリジナルグッズなどを販売するショップと映像ホール、2階は『サイボーグ009』や『仮面ライダー』『HOTEL』などのアトラクションがあるメインホール。3階は600冊のマンガ本や300種類の映像を自由に楽しめるほか、著名なマンガ家たちの色紙展示やお子さんに人気のマンガ家体験を行なうスペースになっています。
1階の映像ホールでは、オリジナルアニメ『龍神沼』のほか、仮面ライダーの制作スタッフによってつくられたオリジナルムービー『シージェッター海斗』を上映。石巻のご当地ヒーローでもある海斗が活躍する物語は必見です!
(C)石森プロ・東映
らせん状のスロープを登って2階に行くと、石ノ森マンガの世界が待っています。「サイボーグ009の世界」、そして「仮面ライダーの世界」へ。
仮面ライダーのコーナーでは、サイクロン号に乗って市街地を疾走し、ヒロインを助けに行くアトラクションがお子さんに人気です。また、「仮面ライダー1号」から最新のライダーまで、歴代ライダーのマスクがずらりと並ぶ眺めは壮観。親子の会話も弾みそう!
さらに「時代劇の世界」コーナーでは、『左武と市捕物控(さぶといちとりものひかえ)』の展示を見学でき、その奥には貴重な石ノ森章太郎の原画展示コーナーなどもあります。各コーナーとも見ごたえたっぷりなので、時間をかけゆっくりと巡りましょう。
3階に行くとまず目に入るのが、ずらりと壁に並べられた有名マンガ家たちの色紙。これらは石ノ森章太郎と親交の深かったマンガ家たちのもので、サインのほかさまざまな石ノ森マンガの登場人物などが描かれています。
同じ3階にある、お手本をなぞって色づけし、その場でアニメにして見られる「アニメにしよう」は、お子さんでも気軽に体験できます。また、毎日開催しているオープンワークショップ(13:00~15:00)で、オリジナルグッズづくりも体験できます。さまざまなアトラクションを楽しんだあとは、日和山を望む眺めのいいカフェ「BLUE ZONE(ブルーゾーン)」の軽食やおやつ、コーヒーなどでひと休みしましょう。
石ノ森マンガのファンは年代が幅広いこともあり、お子さんも大人も一緒に楽しめるのが「石ノ森萬画館」のうれしいポイント。たっぷりと遊んだあとは、『仮面ライダー』や『サイボーグ009』などのオリジナルグッズがそろう1階のショップで、おみやげ選びをするのもオススメですよ。
3階にあるカフェ「BLUE ZONE」には、カレーやピラフをメインにした「お子様セット」のほか、企画展とコラボレーションした期間限定メニューなどがあります。
館内の1階と3階のお手洗いには、おむつ替えスペースがあるので、小さいお子さん連れでも安心。
館内へはベビーカーでの入場ができるほか、無料でレンタルも行なっています。