1974年に商店街を盛り上げようとはじまった「材木町よ市」。よ市の“よ”には、多種にわたる「萬」、余るほど豊富な「余」、良い商品を「良」、お客様に提供し「与」、満足していただく「喜」という、さまざまな“よ”を市で実現しようとの思いが込められているそう。40年以上の月日が流れ、春から秋にかけての毎週土曜の「よ市」は、地元のみならず県内外にまで知れわたるようになりました。
現在の「材木町よ市」には、たくさんの飲食店、鮮魚や旬菜、お菓子にリサイクル品など、多種多様なお店が並びます。そのおかげで、お子さんから年配の方まで幅広い年代の方々が楽しめる市に。長年かかって醸成された手づくり感あふれる雰囲気も、「材木町よ市」の魅力なのかもしれません。
午後3時、通りの交通規制がはじまると、出店する店の準備が大急ぎではじまります。およそ10分後、あっという間にたくさんの店がオープンし、待ちに待った「材木町よ市」がスタート。地元の人気飲食店も多く、県内外からたくさんの人が集まる名物イベントです。
岩手を代表するブルワリー「ベアレン醸造所」のクラフトビールや、「燻製屋Velvo」の香りのよい肉やチーズの燻製、材木町の老舗和菓子店「山善」の和菓子など、歩きながらさまざまなグルメが楽しめます。午後4時頃になると約430メートルの通りは大勢の人で埋め尽くされ、人気店には長蛇の列ができるほどの賑わいです。
「ベアレン醸造所」は、ドイツから移設した醸造設備を使い、ヨーロッパの伝統的な製法でビールを造る盛岡のブルワリーです。仕込みに使う釜は、ドイツの小さな醸造所にあった100年以上前のもので、ヨーロッパでも少なくなりつつある伝統手法での製造を心がけています。
2015年に行なわれたコンテスト「世界に伝えたい日本のクラフトビール」ではもっとも高い評価を受け、グランプリを受賞。「材木町よ市」では、その「ベアレン醸造所」のビールが少しお得に飲めるということもあり、開店と同時に行列ができることも珍しくありません。
「材木町よ市」では、ファミリーの姿も多く見られます。個人で気軽に出店できることもあり、お子さんたちが使ったリサイクルのおもちゃや絵本なども、とても安価に販売されています。
また、盛岡では昔からお祭りのお菓子として親しまれている「たぐりあめ」が味わえるのも「材木町よ市」ならでは。薄い煎餅で水飴をサンドしたシンプルなおやつが、お子さんのおこづかいで買える価格で売られています。「懐かしい~」と声をあげる大人たちの横で、不思議そうに昔の駄菓子を見つめるお子さんたちの姿がなんとも微笑ましいです。
お子さん連れにはトイレなども気になるところですが、通りに常設のトイレはありません。ただ、材木町新興組合の事務所や「ビアパブ ベアレン 材木町」などで借りることができます。
夏であればまだ明るい、午後7時に「材木町よ市」は終わります。車の通行止め解除があるので撤収もはやく、終わり際にあわてないよう、お目当てのものははやめに購入しておきましょう。飲んで食べて買って、楽しい時間はあっという間に過ぎていきます。「もっと楽しみたかった」と感じたら、また土曜日に材木町に来れば「材木町よ市」が温かく迎えてくれます。
地元のお母さんたちが、家庭で不要になったおもちゃや絵本などをリサイクル販売しています。
主催の材木町商店街振興組合の事務所のほか、各商店でトイレ利用ができる店も。困ったら屋台のスタッフの方へ気軽に相談しましょう。
通りの幅が広く、ベビーカーもまったく問題ありません。ベビーカーでも遠慮せずにどうぞ。