JR盛岡駅から直結。駅ビル「フェザン」本館1階に「KANEIRI STANDARD STORE」はあります。店内は木の什器で統一されたぬくもりのある雰囲気。壁沿いにはカラフルな枡形の棚が並び、南部鉄器の鉄瓶や、こけしなどの伝統工芸品が飾られています。
青やピンクの明るい色づかいだったり、表情豊かににっこりほほ笑んでいたりと、ひとつひとつの工芸品がなんともキュート。ホッとなごむようなモダンな雰囲気です。
こちらのお店で扱う商品は、実際に工芸士のもとを訪れ、信頼関係を築いたうえでセレクトしたものばかり。“こんなものをつくってみたかったんだよね”という、匠の自由な発想を引き出し、実現したオリジナルアイテムがあるのも魅力です。
青森県八戸市に伝わる伝統工芸、南部裂織の小物もそのひとつ。オリジナルの現代的なチェック柄でできたブックカバーやペンケース、名刺入れは、手織りの柔らかな手触りも心地よく、毎日使うものとして手元に置いておきたくなります。
工芸品のほか、オリジナルのメモ帳やノートなど文具類の品ぞろえも豊富。自分好みのものを見つけてほしいと、柄や色味など多彩なバリエーションです。気になるアイテムに目移りしているうちに、ついつい長居してしまいそうですね。
今回は、地元・岩手の工芸品をご紹介します。
ひとつめは、江戸時代から続く岩谷堂箪笥の老舗「岩谷堂タンス製作所」が手がける「IWAYADO CRAFT」の小物です。
「IWAYADO CRAFT」のブローチや髪留めは、岩谷堂箪笥の純和風で重厚な雰囲気からは想像もできないほどかわいらしくてポップ。手袋やめがね、れんこんなど日々の暮らしからヒントを得たというモチーフが親しみを感じさせます。
材料に使われているのは、箪笥の製作時に余った桐の端材。漆塗りが施された端材をそのままアクセサリーに加工しているため、岩谷堂箪笥の美しさを身近に感じられます。カジュアルなモチーフながら、透ける木目が美しく、年月とともに艶を増していく上品なアイテムです。
なめらかな木肌と手になじむシンプルなフォルムが魅力の「プラム工房」のカトラリーも人気です。岩手と青森の県境、二戸市の工房でつくられるこのカトラリーの材料は、岩手県産のオノオレカンバという木。
“斧でも歯がたたず折れてしまう”というその名前の通り、堅すぎて加工が難しく、昔から建材にもならない“厄介者”とされてきた木です。その一方で、目が詰まっているため汚れにくく、燃えにくい、そして手になじむようなスプーンの細いカーブを描くのに耐えられる強度があるというメリットもあります。
「プラム工芸」では、5年をかけて乾燥させ、何種類ものやすりを使い分けて堅いオノオレカンバを加工。手間ひまをかけることで特性を活かした生活用品をつくっています。
箸やスプーン、フォークを手に取ってみると、吸い付くようななめらかさに驚くはず。手触りのよさに心がなごみます。ロングセラーの五角形の箸は、正しく持ちやすく、箸の先まで角があり料理をつかみやすいので、箸の持ち方を練習中のお子さんへのプレゼントにもぴったりですよ。
つるんとなめらかな表面と、艶やかな輝きが目をひくのは、岩手県久慈市に窯元がある「小久慈焼き」の器です。
「小久慈焼き」は江戸時代から200年以上久慈で続く歴史ある焼き物。今もロクロを使いひとつひとつ手づくりされています。余計な装飾はなく、シンプルなフォルムが久慈の人々に愛され、久慈のどの家庭にもある日常の器として使われてきました。その素朴な美しさを、かつて民藝運動の父・柳宗悦も「用の美」と高く評価したといいます。
鉄分が少ない久慈の粘土で焼き上げるので、「小久慈焼き」はキレイな白色に焼きあがります。シンプルで上品なので、和洋中とどんな料理もひき立ててくれそうです。
日々の暮らしにそっと寄り添ってくれるような工芸品の数々。お気に入りの逸品を探しに、「KANEIRI STANDARD STORE」を訪れてみてください。
お気に入りのアイテムはキレイな状態で長く愛用したいもの。プラム工芸では傷がついたり、ヒビが入ったりしたら修理してくれます(有料)。
以前おでCafeでもご紹介した「つたや物産」のかわいらしい鬼の独楽。「KANEIRI STANDARD STORE」でも扱っているので、ぜひチェックしてみてください。
電話番号 019-613-3556
営業時間 10:00~20:30
定休日 不定休(フェザン休館日に準ずる)
駐車場 あり