「津軽びいどろ」を生産する北洋硝子の始まりは、漁業用の浮玉製造でした。1975年頃にプラスチックの浮玉が普及するまで、北洋硝子が国内の浮玉生産の約60%を担っていたそうです。国内生産量ナンバーワンの技術が、今でも製品に活かされています。
津軽びいどろは、青森の自然をイメージさせるハンドメイドガラスとして、1977年に誕生。それまで「涼」のイメージが強かったガラス製品に、「ぬくもり」を吹き込みました。
青森県の色彩豊かな自然を表現するため、原料を調合して100種類以上の色を開発したそうです。職人の繊細な技術により、商品のサイズの誤差はほとんどありませんが、ほかのガラス製品よりも色を多く使う津軽びいどろは、色模様や色の形はひとつとして同じものはありません。手づくりならではの柔らかな形が、より一層ぬくもりを感じさせます。
ガラスの主原料は、「珪砂(けいしゃ)」と呼ばれる砂。この砂を溶解炉で溶かすと、ガラスの種になります。るつぼに入った約1400℃の真っ赤なガラスを、少しずつ吹きながら竿の先で巻き取り、息を吹き込んで膨らませていきます。この「宙吹き(ちゅうぶき)」と呼ばれる職人技が、古くからの浮玉の生産で培われてきた技術です。
色ガラスで美しい色模様をつけたり、さまざまな工程を経て、1日に10~15種類、日によっては600個ほど生産します。その種類も幅広く、現在までで1,200~1,300種類ほどの取り扱いがあるそう!全国の百貨店などで取り扱っているほか、企業の記念品としての依頼も多いそうです。
津軽びいどろの最大の特色は、色彩の豊かさと表現力。今1番人気だという、夏をテーマにした「津軽びいどろNEBUTA」シリーズは、「青森ねぶた祭り」をイメージしてつくられた商品です。
夏のみずみずしさのなかに点在するいくつもの魂かのような色ガラスの模様が施され、色ガラスは透明感のある8色を使用。祭りの躍動感と華やかさを表現した「津軽びいどろ NEBUTA」シリーズは、テーブルに置くだけで毎日を涼やかに彩ってくれます。
もちろん夏だけではなく、春の穏やかな桜の風景、秋の黄金色に輝く紅葉、冬の八甲田の凛とした空気など…。四季折々が見せる青森県の風景をガラスに表現し、見る人々を楽しませてくれます。
ひとつひとつ手づくりだからこそ、価格に気構えてしまいそうですが、実はちょっとがんばれば買えるほどリーズナブル!もちろん商品によって価格は違いますが、なるべく普段の生活の一部として使ってほしいという社長の想いが価格に表れています。
毎日の生活にちょっとした季節の彩りを添えたいとき、また、お祝いのギフトなどにもオススメ。使うシーンに合わせて、お気に入りを見つけてくださいね。
工場横の入り口を入ると、津軽びいどろのショールームも!雑貨屋や百貨店では一部商品しか取り扱われていませんが、こちらのショールームでは多くの商品を置いています。さまざまなアイテムからお気に入りを見つけたいなら、ぜひショールームへ足を運んでみては?
また、毎年7月下旬の土日には、工場敷地内で「ガラス市」を開催。地元への還元を目的に、この時だけの特価価格で在庫の津軽びいどろをさらにリーズナブルに販売していて、青森市民の楽しみになっています。
青森が世界に誇る最高品質のガラス製品、ぜひお気に入りの商品を見つけてくださいね。
これまでに販売してきた商品数は、1,200点を超えるそう。職人によって開発された色の数も日本屈指で、それらを組み合わせてつくられる商品はどれも美しいです。
青森県に伝統工芸士制度ができてから、北洋硝子には3名の伝統工芸士がいます。古くから続く技術、技法を受け継ぎ、津軽びいどろをさらに進化させてくれる先駆者たちです。
日本全国に眠っているさまざまな逸品を海外に伝えるプロジェクト「The Wonder 500」に、津軽びいどろが選出されています。メイドインジャパンの代表として、国内外で人気を集めているのです。