子どもたちが親の手を借りず、自らの手で田畑を耕し、漁師さんや農家さんのお手伝いをし、収穫した食材でごはんをつくる。石巻市雄勝町の自然を活かしたアクティビティを通し、たくましく生きる力を身につける体験ができるのが、複合体験施設「MORIUMIUS(モリウミアス)」です。
石巻市の中心部から車で約50分の場所にある、石巻東部の半島に位置する雄勝エリア。この森と海に囲まれた自然豊かな美しい地に2015年、複合体験施設「MORIUMIUS」が誕生しました。
建物は、2002年に閉校した旧桑浜小学校の校舎をリノベーション。のべ5,000人のボランティアの手を借りて2年半もの歳月をかけて改修し、学校の造りを活かした宿泊施設や食堂、屋外には雄勝石でできた露天風呂や、羽釜の釜戸やピザ釜を備えたガーデンキッチンなどを設けました。
滞在プランは、1泊2日から7泊8日のほか、1ヶ月以上の長期滞在プランも設けられていて、1番人気は小中学生のみが参加できる7泊8日プラン。学校の長期休暇にあわせて開催されているので、春休みや夏休みの思い出づくりにぴったりです。
1週間で体験できるのは、農業、林業、漁業、料理体験、木工体験など、実にバラエティ豊か。例えばある日は、現役漁師さんの漁船に乗って雄勝湾へ。ホタテやホヤ、カキを収穫し、さばき方を教わります。とれたての海の幸のおいしさにもびっくり!
海から戻ると、昼食づくりの時間。教えてもらったホタテのさばき方などをキッチンでおさらいします。上手にできたら、生地からこねたピザの上にトッピング。ほかにも、かまどでご飯を炊いたり、収穫した野菜を調理したり…そうして自分の手でつくった料理は、とびきりおいしく感じられそうです。
1泊2日・2泊3日の滞在プランは週末や連休に組まれているので、気軽に参加できるのが魅力です。季節にあわせた農業体験や漁業体験のほか、運動会やクリスマスなどのイベントもあり、リピーターも多いそう。
1~2泊の短期プランなら、親も付き添いOK。プログラムへの参加はできませんが、自然のなかでイキイキと遊ぶお子さんたちを見守りながら過ごすことができますよ。
今からおよそ400年前、仙台藩初代藩主の伊達政宗はノビスパニア(メキシコ)との直接貿易の許可を得ようと、イスパニア(スペイン)とローマへ使節団を派遣。政宗の命を受けた家臣・支倉常長をはじめとした慶長遣欧ら180人は、仙台藩内で建造された洋式帆船に乗り込み、現在の石巻市月浦からはるかヨーロッパを目指し、旅立ちました。
使節を乗せ太平洋を渡った洋式帆船「サン・ファン・バウティスタ号」を史実に忠実に復元し、係留・展示しているのが「宮城県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館)」です。
3ヶ月もの過酷な航海を経て、メキシコに到着したという「サン・ファン・バウティスタ号」。その復元船を眺めるためには、野外広場へと向かいましょう。ドックに係留された復元船は、今にも海へと出帆しそうな堂々たるたたずまいで、その迫力に圧倒されます。
展示室では、パネル展示やシアター映像などで、慶長遣欧使節の偉業を紹介。支倉常長たちがどんな旅をしていたかを知ることができます。
なかでもオススメは、大型ハイビジョンの映像を楽しめる「サン・ファンシアター」。約20分のシミュレーションシアター「夢の果てまでも」で、当時の航海の様子を追体験できます。もうひとつの映像である「二つの大津波とサン・ファン・バウティスタ」は、慶長使節が出帆する2年前に発生した慶長大津波について、サン・ファン館の最新映像とアニメーションを交えて紹介しています。
「MORIUMIUS」では自然を通して生きる力を学び、「サン・ファン館」では巨大な復元船を通して先人の世界的な偉業を学ぶ。石巻の学びスポットを訪れると、スケールの大きな体験が楽しめますよ。
豚やヤギ、鶏も一緒に暮らす「MORIUMIUS」。エサやりやフンの掃除などを通して、動物とのふれあいができます。
「MORIUMIUS」に2017年2月に誕生したコミュニティスペース「いったりかったり」は、滞在者と地域住民の交流の場。住民の懐かしい話を聞きながら、昔の雄勝の暮らしを感じることができます。
サン・ファン・バウティスタ号のストラップやクリアファイル、大人も満足の船の模型キットなど、オリジナルのグッズがたくさん!
所在地 宮城県石巻市渡波大森30-2
電話番号 0225-24-2210
営業時間 9:30~16:30(最終入館は16:00)、8月は~17:30(最終入館は17:00)
定休日 火曜(祝日の場合は開館)、年末年始
駐車場 あり(300台)