「鹽竈神社花まつり」は、毎年4月第4日曜日に行なわれる祭り。約1tの神輿が16人の担ぎ手により流れるように市内を進み、12:30から21:00まで、塩竈の街を練り歩きます。ところどころで神輿渡御に出会いながら、祭りと街並みをゆったりと巡りましょう。
白い装束に身を包み覆面をかぶった氏子に担がれた神輿が、鐘と太鼓・雅楽が流れるなかをしずしずと進む様子は、とても幻想的。神聖で厳かな雰囲気に大人も子どもも引き込まれてしまいそうです。
神への感謝を込めて地域住民が神輿を出したのがはじまりとされ、花の季節であったことが「花まつり」の名の由来だそう。華やかな桜と、趣ある神輿渡御の共演が印象的です。
祭りの見どころは、202段の石段がある表坂下。出発時は石段を慎重に下り、夜の神輿還御は力強く登っていきます。神輿を担いで石段を進む様子は、まさに息を飲むような光景。大勢の見物客とともに見守りましょう。
本殿や拝殿が国の重要文化財に指定されている「鹽竈神社」。その歴史は奈良時代以前にさかのぼり、現在の社殿は江戸中期に建てられた築300年以上の建物です。
40品種300本あまりの桜が楽しめる名所でもあり、花まつりの時期はシダレザクラやソメイヨシノなどが見ごろを迎えます。国定天然記念物に指定されている鹽竈桜は、例年5月初旬が見ごろですが、気候によっては祭りと重なることも。さまざまな種類の桜を眺めながら散策するのがオススメです。
境内からは、塩竈港や松島湾、牡鹿半島までを一望できるので、ぜひその景色も眺めましょう。茶屋やシートを敷ける芝生のスペースもあり、広い境内を散策した後に桜を眺めながらゆっくり休憩もできます。芝生スペースの隣にある「鹽竈神社博物館」で、塩竈について学んでから街を散策するのも良いですね。
「鹽竈神社花まつり」にあわせて開催されるのが、「しおがま市民まつり」です。JR本塩釜駅前を中心に、地元中学生によるブラスバンド演奏や様々な景品が当たる大ビンゴ大会のほか、地元団体による屋台なども出店されます。
子どもたちにはゲームやアトラクションがそろう「ちびっこ広場」、ミニ新幹線に乗れる「おさかな鉄道」が人気。塩釜駅前の観光案内所であらかじめ前売り券を買えば、並ばずに遊ぶこともできますので利用しましょう。
目玉は、100名を超える参加者が一列に連なってつくる「ジャンボ鉄火巻き」。その長さはなんと60m!日本有数の生マグロの水揚げ港・塩竈ならではの豪快なイベントです。家族みんなで参加したいですね。
「鹽竈神社」から「しおがま市民まつり」会場となるJR本塩釜駅までは徒歩15分ほど。車を鹽竈神社の駐車場に止めて、神輿渡御を鑑賞しながら歩くこともできます。鹽竈神社のホームページでは順路や時間などを確認できるので、あらかじめ散策のプランを立てておくと安心です。
鹽竈神社の歴史の重みを感じさせる「鹽竈神社花まつり」と、地元色豊かな「市民まつり」。2つの祭りと塩竈の街並みを巡りながら、この日、この春の季節だからこそ楽しめる港町の魅力を体感しましょう。