ジンギスカンといえば北海道を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、遠野でも60年以上前からジンギスカンは地元でおなじみのグルメです。英国発祥の毛織物「ホームスパン」の製作のため、羊の飼育が盛んだった遠野。新鮮な羊肉を調達しやすかったこともあり、次第にジンギスカンのおいしさが知れ渡り、家庭の味や地域行事の際の料理として味わうようになりました。
「一家に一台のジンギスカン鍋がある」というほどジンギスカンがポピュラーな遠野では、南部鉄器でできたジンギスカン鍋のほかにも、野外でジンギスカンを食べる際に欠かせないアイテムがあります。
それが、ブリキ製のバケツをジンギスカンのために改造した「ジンギスカンバケツ」です。
七輪は配達時に割れやすかったため、バケツに通気孔を空け固形燃料を入れることで七輪の代用ができるように改良。野外でもジンギスカンを気軽に楽しめるようになったのです。
JR遠野駅から徒歩10分ほどの場所にある「あんべ」は、遠野ジンギスカンの元祖でもあるお店。初代が遠野でジンギスカンをはじめ、2代目がジンギスカンバケツを考案し、遠野にジンギスカン文化を広めました。
精肉店を併設しているので、羊肉のフレッシュさはお墨付き。店内にはテーブル席のほか広々とした座敷席も備えられ、ファミリーでの利用にもうれしいポイントです。
調理器具や羊肉の焼き方、タレにつけるタイミングなど、独自のスタイルが多い遠野ジンギスカン。おいしい食べ方のコツを、現在お店を営む3代目・安部吉弥さんにレクチャーしていただきました!
いただくのは、人気メニューの仔羊肉の「ラム肩ロース」です。「まずは真ん中が盛り上がった南部鉄器のジンギスカン鍋をあたため、羊の脂を鍋全体に塗ります。塗り終わった脂は鍋のてっぺんに置き、縁に野菜を乗せ、鍋の上部に羊肉を広げます」
「すぐ肉を裏返すと鍋にくっついてしまうので、お肉の縁に焼き色がつくまで、じっと我慢です。ひっくり返して裏面を色が変わる程度にサッと焼いたら、秘伝のタレにたっぷり浸してお召し上がりください!」
焼きたてのお肉は、くせのない旨みでとってもやわらか。余分な脂が落ちてヘルシーなのもうれしいポイント。にんにくやしょうがの効いたピリ辛ダレがさらに食欲に火をつけ、ごはんがどんどん進みます。
JR遠野駅から車で約5分の郊外にある「ラム専門店 遠野食肉センター」は、かつてマトン(成羊)が主流だった遠野で仔羊にこだわり、生ラムジンギスカン発祥の店として人気を集めています。広々とした駐車場があり、席数136席の店内には、テーブル席や座敷席、テラス席を備え、小さなお子さん連れにぴったりです。
「上ラムセット」は、肩ロースの芯部分のみを使用。厚めのカットは食べごたえがあり、驚くほどやわらかく上品な味わいです。ジューシーな生ラムを香ばしく焼き上げ、辛口・中辛・甘口・子ども用の4種がそろう自家製のタレにたっぷりつけていただきます。
ほかにも、希少部位の「厚切りラムロース」、「骨付きラム」は、3種類の部位から選ぶことができます。
新鮮なラムは店頭でも購入でき、家庭でも気軽にジンギスカンを楽しめます。(写真は2~3人前、自家製タレ1本)
みんなでお肉を焼きながらにぎやかに味わえるジンギスカンは、家族で楽しむ食事にぴったり。遠野におでかけの際は、ぜひ「遠野ジンギスカン」を味わってください。
仔羊肉のラムはやわらかな肉質で、お子さんでも簡単に噛み切れます。成羊肉のマトンは赤身肉に旨みをたっぷり蓄え、大人も満足の味わい。
「ラム専門店 遠野食肉センター」の「遠野冷麺」は、たっぷりの野菜と鶏ガラをベースにしたさっぱり味でシメにぴったりです。
「あんべ」をはじめ、遠野市内の精肉店やスーパーの一部では、野外のジンギスカンに欠かせない鍋とバケツを無料で貸し出ししています。野外で遠野ジンギスカンの醍醐味を味わってみては?
電話番号 0198-62-2242
営業時間 11:00~15:00(L.O.14:30)、17:00~21:00(L.O.20:30)、精肉販売は10:00~20:30
定休日 不定休
駐車場 あり(50台)