「糀屋カフェたんとKitchen(こうじやかふぇたんときっちん)」は、地元で戦後から続く「矢ノ目糀屋」が手がけるカフェです。4代目にあたる現在のご店主夫婦は、山形出身の奥さまの遠い親戚にあたるこの糀屋が後継者不在で廃業を決めたことを知り、東京から移住して復活継承しました。
「糀や味噌のおいしさを伝えるカフェもつくりたい」と物件を探していたときに見つけたのが、お米屋さんの貯蔵庫だった築約100年の蔵。歴史を感じさせる木製の大きな引き戸や立派な梁はそのまま活かし、レトロで温かみのある空間に生まれ変わりました。
カフェの隣には作業場があり、ここで糀がつくられます。山形県産の米「さわのはな」などを蒸して糀菌を種付けし、38~40度の室(むろ)のなかで定期的にかきまぜる作業を繰り返すこと4日間。できあがった糀はふわふわの綿毛をまとい、まるで雪のよう。この糀が甘酒や味噌の材料となります。
糀の風味をシンプルに楽しめるのが「甘露甘酒」です。材料は糀と水だけで砂糖を一切加えていませんが、お米のもつ濃厚な甘みが感じられ、ひとくち飲むごとに体が元気になっていきそう。酒粕でつくる甘酒と違ってノンアルコールなので、お子さんでも安心して飲めるのもうれしいポイント。冬にはホットでぽかぽかと、夏にはアイスでさっぱりと、1年を通しておいしく味わえます。
甘酒と地元産のフルーツを使った「甘酒スムージー」も、お子さんにオススメのドリンク。フルーツは山形ならではのさくらんぼをはじめ、地元のイチゴや桃など季節によって変わります。ヨーグルトと牛乳をブレンドしているため、マイルドな口あたりでゴクゴクと飲めますよ。
ドリンクやスイーツのほか、毎週木~土曜日にはカレーやガレットなどのフードメニューが登場します。人気メニューの「糀屋のカレー」は、たっぷりの野菜に糀と味噌を加えて3日間じっくりと煮込んだ一品。糀のパワーによってタマネギや白菜など季節の野菜の甘みが引き出され、まろやかな味わいの味噌がコクをプラス。さくらんぼなどのフルーツと数種類のスパイスでつくる自家製チャツネも隠し味に効かせています。
また、冬にはアツアツの「糀屋のグラタン」もお目見え。糀と味噌を加えたホワイトソースをモチモチの米粉の麺にあわせてこんがり焼いた、寒い時季ならではの限定メニューです。
「糀屋カフェたんとKitchen」の店頭では、糀や味噌の直売も行なっています。
なかでも人気なのは、お湯や水で割って楽しむ甘酒のもと「甘露」。プレーンだけでなく、フルーツや野菜など季節ごとにいろいろな味が並びます。甘酒を手づくりする場合は甘酒用の生糀をどうぞ。炊飯器で簡単につくれるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
ほかに、糀と塩を熟成させてつくる「塩糀」や、糀がたっぷり入った自家製の「五八みそ」もラインナップ。プリンやキャラメルなど、味噌を使ったスイーツはおみやげにぴったりです。
おいしいドリンクやフードで栄養たっぷりの糀を取り入れて、家族みんなで元気をチャージしてはいかがですか。
甘露は、牛乳や豆乳で割ったりヨーグルトに加えたりするのもオススメ。肉や魚の下味に塩糀を使えば、やわらかさと旨みがアップします。
不定期で開催される味噌づくりのワークショップでは、味噌ができるまでを楽しく学べます。自分の手でつくった味噌は格別のおいしさになりそう。
月に2回、仙台で行なわれるマルシェイベントに出店している「糀屋カフェたんとKitchen」。8日は「お薬師さんの手づくり市」、28日は「新寺こみち市」で糀や味噌などを販売しています。
所在地 山形県西村山郡河北町谷地甲90
電話番号 0237-85-0330
営業時間 10:00~19:00(L.O.18:00)※営業時間や定休日はFacebookなどで要確認
定休日 日曜、毎月8・28日
駐車場 あり