「R table(アールテーブル)」は、秋田産のおいしいお米を使ったメニューを提供するカフェです。意外にも母体は「秋田印刷製本株式会社」という、印刷・製本を本業とする会社。9年前、地元の米農家から「お米をもっとPRしたいので、手伝ってほしい」という要望を受けたのがきっかけでした。
パッケージデザインや宣伝・販売方法を模索するなか、やがて田んぼの土づくりや水質検査、米の保管法の改善まで取り組むまでに。当初は「お米の販売」がメインテーマでしたが、社内から「お米を使ったスイーツやフードを提供し、秋田産米に親しむ場をつくってはどうか」というアイデアが出たことから、最終的にカフェをオープンしたのだそう。
現在、秋田印刷製本が契約している農家は全部で5軒。すべて減農薬の特別栽培米で、品種は「あきたこまち」です。それ以外のアプローチは農家ごとに異なり、天日干しをする農家があれば、果実堆肥を用いている農家も。販売の際は、それぞれの個性が楽しめるよう、あえてブレンドせず生産者ごとにパッケージングしています。
「R table」は白を基調とした空間に、大きな窓のテラスを備えた開放的な雰囲気で、女性の利用が多い印象。提供するフードは、すべてこれらの米を使用したもの。丼、おにぎり、カレーなど「米」そのものを味わうものから、米粉を使ったパンやスイーツ、ラザニア、ケークサレなど多彩なラインナップとなっています。メニューは社員で試作を重ねるなかで決定し、季節メニューは3ヶ月ごとに入れ替えているそう。
では、メニューを見ていきましょう。秋田米を使用したオリジナルランチは計8種類、米粉スイーツが4種類、ドリンクは6種類が用意されています。
ランチの1番人気は「ローストビーフ丼」。オージービーフの内もも肉をキウイで柔らかく下ごしらえしてオーブンで焼いた後、予熱でじっくりと火入れし、旨みをしっかりと閉じ込めています。ソースはタマネギに肉汁をくわえて。炊きたての秋田米にジューシーなビーフの旨みがよくあいます。
また2番人気の「米粉ラザニアプレート」は、米粉100%のラザニアに、米粉のホワイトソースとチーズ、そして国産ビーフ100%のひき肉とイタリアントマトを煮詰めた特製ミートソースを挟み込んでいます。いずれも食べごたえたっぷりの上に、スープ付きです。
スイーツの1番人気は「米粉ロールケーキ」。テイストはプレーンとショコラの2種類で、米粉ならではのしっとりとなめらかな舌触りと、ホロホロとした口当たりが魅力。生クリームの甘さもほどよく、しっかりボリュームがあるにもかかわらず、つい2個目にフォークが伸びてしまいそうです。
ほかにも米粉スイーツには「チーズケーキ」や「シフォンケーキ」、「ガトーショコラ」などがあり、いずれも、売り切れてしまう日があるほど人気です。
ドリンクは地元のコーヒー焙煎店から仕入れたブレンドコーヒーのほか、雲南茶にベルガモットのアロマをブレンドした「オーガニックアールグレイ」や、中国緑茶に白茶をブレンドした「ホワイトオーチャード」、「辛口ジンジャーエール」など、こだわりがうかがえるものばかり。スイーツ・ドリンクはすべて、テイクアウトできます。
入口はエントランススロープを備えたバリアフリー仕様で、ベビーカーでの入店も大歓迎。2018年の春からテラス席がオープンしたので、お子さんと開放的な空間でゆったりとお食事を楽しむこともできますよ。子育てママの、ちょっとした息抜きにぴったりですね。
また、厳密ではないものの、ほぼすべてのフードがグルテンフリー。お子さんの小麦粉アレルギーを気するママにもよろこばれているそうです。
今後はショップ部門を拡充し、ゆくゆくはアンテナショップとして店頭でお米や米粉麺などの購入できるようするとのこと。ぜひ一度、足を運んでみてはいかがですか?
提供するお米は、育てる水質や土壌、保管方法まで厳しくチェックした秋田米のみ。「食の安全」を意識しています。
通常、カフェのランチメニュー数は1~3種類程度。こちらでは常時8種類のランチを用意しているので、つい毎日足を運びたくなってしまいそうです。
メンバーが知恵を出しあい、定期的に新メニューを考案。「今度は何が登場するかな?」と、何度でも訪れるのが楽しみになります。