お湯を張った木桶のなかに、真っ赤になるまで焼いた大きな石を入れ、瞬間的に魚介を煮る豪快な調理が特徴の「石焼き」。
石を木桶に入れると大きな音とともに湯気が一気に吹き上がり、そのパフォーマンスも石焼きの魅力になっています。手間のかかる料理ということもあり、飲食店よりは男鹿温泉の宿などで食べる機会の多い石焼きですが、入道崎エリアでは何軒かの店で常時味わうことができます。
店名が大きく書かれた木の看板が目印の「美野幸」。この店の名物が、男鹿の天然真鯛を贅沢に使った「石焼定食」です。
鯛の刺身がセットになった定食は、ぐつぐつと煮立った石焼きが運ばれてきます。風味のよい岩海苔が磯の香りを漂わせ、よいアクセントに。半分ほど食べ進んだあとは、ご飯にワサビとゴマをのせ、そこに残った石焼きのスープをかけてお茶漬けのようにして味わうのも美野幸流の食べ方。真鯛のだしが効いた絶品のおいしさです。
美しい緑の大地と青い空、そして白い灯台が絶妙なコントラストを見せる入道崎。その灯台を望むようにして数軒の飲食店が並ぶ入道崎の昆布浦(こんぶうら)に「なまはげ御殿」があります。
店の前には「泣ぐ子はいねがー」と奇声を発するなまはげの大きな等身大人形が。よく見ると、店の建物自体がなまはげの顔になっています。さすがなまはげ御殿!
さらに店内に入ると、自称「もう1人のなまはげ」のご主人・畠山さんがお出迎え。鮮度のよい海鮮丼が名物の店なので、種類が多く何を頼むか迷ってしまうほど。迷ったときは、店一番の人気メニュー「時空を超えた海鮮丼」を注文しましょう。
もともと男鹿で代々続く漁師だった先代の店主が、男鹿に観光客が増えてきたこともあり、1956年になまはげ御殿を創業。以来、漁師ならではの鮮度のよい海鮮丼を名物に、この地で商いを続けてきました。
現在のご主人の代になって生まれた名物丼が「時空を超えた海鮮丼」です。ウニ、ホタテ、そして大きなボタンエビと、高級ネタを惜しげもなく使い、“価格が時空を超えてしまっている”かのよう。
実際、この海鮮丼の価格は20年以上据え置きのまま!「男鹿は遠い場所にあります。来たお客さんに少しでもよろこんでもらえれば」というご主人の気持ちの表れでもあります。満足度の高い海鮮丼は、男鹿で必食のグルメです。
男鹿半島の入り口ともいえる男鹿市船越にある「和風レストラン きりん亭」。こちらで人気なのが、男鹿の調味料としてよく知られる魚醤「しょっつる」を使った「男鹿しょっつる焼きそば」です。しょっつるは、日本三大魚醤に数えられる伝統調味料で、男鹿ではハタハタと天日塩だけでつくられます。
男鹿しょっつる焼きそばにはルールがあります。名物のしょっつるを使う、麺は粉末ワカメと昆布だし入りの特製麺、そして具材は肉を使わずに海鮮で、という3つ。現在、このルールにのっとった焼きそばを、20軒ほどの店で味わえます。なかでもきりん亭は、あんかけにした男鹿しょっつる焼きそばで人気の店です。
エビやイカなど海鮮の具がごろごろとのったあんかけ焼きそばは、彩りもキレイです。そしてなにより、しょっつるのイメージを覆すかのような、まろやかな旨み。魚醤のクセはほとんど感じません。これは、「県外の人にも食べやすい味を」ということで、極力しょっつるの臭みなどを少なくするよう工夫した結果だそう。
ちなみに「この味では物足りない」という人のために、スプレータイプのしょっつるがテーブルに用意されているので、「追いしょっつる」で味わうのもオススメ。きりん亭では、男鹿の名物であるハタハタのフライが味わえる「はたはたタルタル丼」なども好評です。男鹿の味覚をたっぷりと楽しめるきりん亭で、男鹿グルメを満喫しましょう。
男鹿ではさまざまな料理に使われる魚醤「しょっつる」。瓶にハタハタをびっしり入れて天日塩を振り、3年ほど寝かせ、そこから出る汁を利用した調味料で、魚の旨みがギュッと詰まっています。
周囲をぐるりと日本海に囲まれている男鹿半島では、年間通してさまざまな魚介が味わえるのが魅力。石焼きも海鮮丼も焼きそばも、魚介たっぷり!
伝統調味料「しょっつる」を普及させようと、10年ほど前につくられた男鹿の新名物。3つのルールを守りつつ、市内では20軒ほどの飲食店で工夫を凝らした焼きそばを提供しています。
電話番号 0185-38-2011
営業時間 営業時間 6:00~18:00(11~3月は8:00~17:00)
定休日 無休
駐車場 あり(無料50台)
所在地 秋田県男鹿市船越字内子213-1
電話番号 0185-35-2700
営業時間 11:00~14:00、17:00~21:00(20:30LO)
定休日 不定休
駐車場 あり(無料40台)