佐渡の南西、小木地区は海底溶岩が隆起してできた地形で、そこには、波の侵食によってできた海蝕洞窟がいくつもあります。その一つが琴浦にある「竜王洞(りゅうおうどう)」で、通称、「青の洞窟」と呼ばれています。
竜王洞は、イタリアのカプリ島のように洞窟のなかが青いのではなく、どちらかというと洞窟の外が青く美しい海の色になっています。青く光る時間帯は、太陽が真上にあるとき。海水の若干の濁りや太陽光の強さによって、海の色がエメラルドグリーンやサファイアブルーなどに見え、気象条件によって色合いが変わるのも魅力です。
現在、陸路からのアクセスはできず、島内にある力屋観光汽船のモーターボート、小木ダイビングセンターのシーカヤックなどでアクセスが可能となっています。
青の洞窟へのアクセスは、小木港近くにある力屋観光汽船のモーターボートか、琴浦地区の小木ダイビングセンターのシーカヤックの2種類。短時間で見学するならモーターボートが便利で、所要時間は約20分です。
青の洞窟の奥まで探検したいという方は、シーカヤックがオススメです。午前と午後の2回、それぞれ約3時間のツアーがあり、ゆっくり見ることができますよ。
12月~3月まではモーターボートはお休みで、4月から運航となっていますのでご注意ください。また海の状況によっては欠航の場合もありますので、お出かけ前に電話で確認しましょう。
モーターボートに乗れたのなら、「虫谷の入江(むしやのいりえ)」にも行きましょう。チケットを購入する前に「青の洞窟と虫谷の入江に行きたい!」と伝えると、スムーズに案内してもらえます。こちらも日中、太陽が真上にある方が海の色が青くきれいですよ。
小木ダイビングセンターから出発するシーカヤックでも、青の洞窟へアクセスできます。シーカヤックは洞窟の最奥部へまで入ることができるので、じっくりと海を堪能したい方にオススメ。なるべく水に濡れても大丈夫な服装で行くと、着替える時間なども短縮できますよ。
シーカヤックがはじめてでも、インストラクターの方が親切に教えてくれますし、万が一のときにはロープで牽引もしてくれますので、安心して参加できます。なお、海上とはいえ暑くなりますので気温が高い日には、熱中症対策としてペットボトルの水を持参しましょう。
8月限定で行なわれるナイトカヤックは、ヘッドランプの明かりを頼りに夜の海へ。海水温の上昇に伴い、夜光虫がたくさん海に発生します。パドルを漕ぐたびに、夜光虫がキラキラと光る様子は、ここでしか体験できない幻想的な光景です。
お天気がよければ、夜空には満天の星、海にはキラキラと輝く夜光虫。写真には写せないほどとても小さな光なので、実際に体験した人だけが味わうことのできる、神秘的な瞬間です。
そして、青の洞窟に入ってあることをすると…なんと、青の洞窟の水面が青く光りだすんです!これは、佐渡に暮らしている人もほとんど知らない佐渡のディープな魅力です。ぜひ現地でご自身の目で見て確かめてくださいね。
実は小木ダイビングセンターでは、人数がまとまれば洞窟内でBBQができます。メスティンで炊いた鯛めしやサザエの壺焼き、イカ焼き、カニ、沖汁などシーフード中心のお料理が楽しめます。釣りもできるし、たらい舟も漕げるし、シーカヤックもできる。もちろんダイビングもできる施設で、琴浦の海を満喫しつつ、洞窟内で海鮮BBQもできるなんて、親子にとって大満足のお出かけになりますね。釣った魚もその場で焼いてくれます。要予約で、お申し込みは5人以上からとなります。
琴浦の洞窟からほど近い万畳敷。地元の人には白木と呼ばれている場所です。満潮時には鏡張りになり、水面に映し出された夕日の光がウユニ塩湖のような美しい絶景になるスポットで、最近では夕日時間になると撮影者が続々と訪れます。
風が吹かない日で雲が多少あると、空が水面に映し出されたときにきれいに見えるのですが、このような条件が整うことはめずらしいので、条件がそろったときはぜひ、シャッターチャンスを逃さないでくださいね。
万畳敷の夜は、それもまた素晴らしいんです。水面に映し出された星々の光が、空との境目がなくなり、宇宙空間にいるかのような錯覚さえ覚えます。
佐渡にいながら、まるで海外の絶景のように幻想的な青い洞窟に、親子で触れてみてはいかがでしょうか。
モーターボートやカヤックに乗って洞窟を体験。万が一、濡れてしまったときに備えて、着替えをもっていくのがオススメです。
海の上は想像以上に暑いので、水筒やペットボトルなどをもっていきましょう。
小木には、佐渡金銀山や昔ながらの町並みが残る「宿根木」地区など観光スポットもたくさんあるので、見学してみてくださいね。
電話番号 0259-27-2162(佐渡ジオパーク推進協議会)