新潟県長岡市にある「駅弁の池田屋」は1887(明治20)年創業の老舗のお弁当屋さんです。駅弁専門になったのは一説には昭和の初期といわれています。以来、数多くの駅弁をつくっています。
なかでも1番人気なのは「越後長岡喜作辨當」。こちらは、JRの20周年と会社の創立120周年を記念して誕生したお弁当なのだそう。
ふっくらと炊き上げた長岡産コシヒカリをはじめ、地元野菜の神楽南蛮(かぐらなんばん)とりだんごや、老舗豆腐店のつくる「長岡黒いなり」など、地元の食材がたっぷりと盛り込まれています。
昔ながらの味付けの、牛肉のうま煮をたっぷりご飯に乗せた「牛めし」。甘辛い味付けの牛肉はご飯が進みます。三世代に渡って食べられているそうで、こちらも「駅弁の池田屋」を代表する駅弁です。
発売以来、多くのファンがいる「三新軒」の「雪だるま弁当」。ふたを開けると、鳥そぼろに甘い錦糸卵、鶏の照り焼きに味付けこんにゃくや数の子がご飯を埋め尽くしています。
彩りがきれいで、やさしい味付けがお子さんにも人気のお弁当で、食べ終えたあとにはお弁当の容器を貯金箱として利用できるんです。
お弁当の器は白色だけでなく、オレンジ、ピンク、ブルー、グリーンと5色のカラーバリエーションがあります。全部そろえて楽しむ人もいるそうですよ。
新津駅前にある神尾弁当は、開店して100年以上の歴史あるお弁当屋さんです。こちらで評判なのが「さけずし」。先代の社長がはじめた駅弁で、当時は地元で多くとれた孟宗竹を使っていたといいます。今は竹の入手が難しくなったため、孟宗竹を模した容器を使いますが、懐かしい気分にさせてくれます。
同社を代表する駅弁のひとつが「えんがわ押し寿司」です。えんがわを押し寿司に仕立てたもので、開発に3年の月日がかかったといいます。厚いえんがわを使っているので食感が楽しくめずらしい駅弁なので、おみやげにする人もいるそうですよ。
駅弁というと、駅のプラットホームで買うイメージがありますが、こちらはお店で直接買うことができます。レジャーの帰りに立ち寄ってみるのもオススメですよ。
ふたを開けると一面の卵焼きにびっくりする、「新発田三新軒」の「えび千両ちらし」。この駅弁は鉄道好きの芸能人のなかにファンが多く、テレビでも紹介されたほど。卵焼きをめくると、その下にはエビやイカ、うなぎにこはだなど、海鮮づくしになっています。
ラベルは絵葉書になっていて、これは新発田三新軒の社長自らかいたものだそう。パッケージにもこだわる、遊び心満載の駅弁です。
ネーミングも楽しいのが「まさかいくらなんでも寿司」。これは駅弁の具材に使っている「ます」「さけ」「かに」の頭文字と、一緒に入っている「いくら」から名付けたそうです。食べるのが楽しくなる駅弁ですね。
直江津駅前にあるホテルハイマートでは弁当部があり、バラエティ豊かな駅弁をつくっています。
30年近く愛されているのが「鱈めし」と「さけめし」です。
「鱈めし」は、鱈の甘露煮や鱈の親子漬けなど、鱈づくし。実はこのお弁当、駅弁の大会でも優勝した有名な駅弁なんですよ。ふたを開けると、おせちのような盛り付けになっていて贅沢な気分を味わえます。
「ホテルハイマート」の「さけめし」は2019年に駅弁の最高峰を決める大会でグランプリをとった駅弁です。ご飯は上越産コシヒカリを塩昆布で炊いた炊き込みご飯で、ほのかな塩味と甘さがあります。ご飯を埋め尽くすように盛り付けられているのは焼き鮭とイクラのたまり漬け。鮭は一度焼いたものをほぐし、秘伝のタレをかけているそう。どれも手作りで1日の販売数は限られているので、購入はおはやめに。
ここで紹介した「新潟の駅弁」はほんの一部です。旅行だけでなく、お家で各社の自慢の駅弁を味わい、お家時間を楽しんでみませんか。
駅弁は会社によってお取り寄せできるところもあります。オンラインショップで注文すれば、家にいながら、「新潟の駅弁」を楽しめます。
限定数の駅弁もあるので、駅に買いにいくなら、はやい時間にいくとよいでしょう。
駅弁には地産地消にこだわったものも多く、なかには郷土料理を盛り込んだものもあります。駅弁を食べながら、その土地のことをお子さんに教えてあげてみては?