青森駅西口から油川方面へ10分ほど歩くと、緑の木々に囲まれた水色の洋館が見えてきます。森林に関する知識や、昔の人々の生活を学べる「青森市森林博物館」です。青森県産のヒバ材をふんだんに使用したルネッサンス式木造建築で、前庭の木々と相まって、まるで外国の郊外を訪れたような気分になります。
1908年に国有林を管理するための国の施設「青森大林区署」(のちの青森営林局)としてつくられたものをそのまま博物館にしていて、映画のロケ地にも使われるほどおしゃれな雰囲気の建物です。市の指定有形文化財にもなっているんですよ。
外観だけでなく、館内もレトロな洋風の内装になっています。とくにオススメなのが明治の情緒を残す、重厚な特別室「旧営林局長室」。映画の撮影にも使用された室内は、飴色になった調度品に歴史の重みが感じられます。一般公開されているので、ぜひなかに入ってその年月を感じてください。
前庭には青森ヒバやソメイヨシノなど約100種の鑑賞木が約300本植えられていて、季節ごとに違った景色を楽しむことができます。まるで北国の森林にいるような気分を味わえるので、親子で散策してみてくださいね。
館内では実物の木材や道具を通して、森林と昔の人々の暮らしについて親子で楽しく学べます。樹木の仕組みや森の生態系など、ちょっと難しいお話もありますが、模型や実物を展示してわかりやすく伝えているので、お子さんも一緒に学ぶことができます。
森林と人々の生活の関わりを伝える展示では、木を加工してつくられた昔の生活用品や、森林の調査・管理に関わる資料が展示されています。
第3展示室には、実際に使われていたスキー板や、青森のスキーの歴史が紹介されています。なんと、スキーを使って森林を調べていたというのですから驚きですよね。さらに雪の結晶や八甲田山の樹氷の造形美を紹介する展示もあり、青森の自然の美しさに圧倒されてしまいます。
「青森市森林博物館」では、ほかにも特産のヒバ材についての展示も行なっています。ヒバの生態や歴史を紹介する展示室では、建造物の断面や家具類の実物を展示。木材に囲まれた心地良い空間で資源の活用と保護について学べます。
第5展示室では、かつて津軽半島で活躍した津軽森林鉄道の貴重な資料が展示されています。東北初の林業遺産に認定された資料が公開されており、蒸気機関車の大型写真はいまにも動き出しそうな迫力があります。別館では、映画でも使用され、下北半島の森林鉄道で実際に使われていた、本物の機関車を間近で見ることもできるんですよ。
歴史あるレトロな建物のなかで、高度な知識を楽しく学べる「青森市森林博物館」。心地よさとボリュームのある展示内容で時間が経つのも忘れてしまいそうですね。ぜひ家族やお友達と遊びに行ってみてください。
入り口を入って最初に目に飛び込んでくる、木の根っこをそのまま天井からつるした展示は圧巻。ぜひ見に行ってみてくださいね。
昆虫標本の展示や植物・虫の写真展など、時期によって入れ替わる企画展示も開催しています。そのほか体験活動ができるイベントも。ぜひ訪れる前に公式サイトをチェックしてみてくださいね。
博物館出入口のあたりでは、いい香りのするヒバチップやお箸が販売されています。おうちに帰っても木の香りを楽しめますね。
所在地 青森県青森市柳川2-4-37
電話番号 017-766-7800
営業時間 9:00~17:00(11月1日~3月31日は9:00~16:30)
定休日 毎週月曜日(祝日の場合その翌日)、年末年始(12月28日~1月4日)
駐車場 あり(無料)