日本海東北道中条ICから車で約5分、日本海の近く、田んぼや雑木林に囲まれたところに「松原ステーブルス」はあります。小学校の体育館を移築した厩舎の隣には、整備された馬場が広がっています。
ここは競走馬を引退した馬たちが、ストレスなくのんびりと余生を送れるように、人間たちがお世話する養老牧場です。
場長の松原正文さんは、北海道の牧場に生まれ、馬とともに生活してきました。騎手、調教師を経験するなかで、年間何千頭もの馬が廃馬(殺処分)になる現状を目の当たりにします。それから、1頭でも多くの命を救いたいと、引退した馬を預かる養老牧場をはじめたのです。
現在は、代表の明星さんやスタッフのみなさん、会員さんたちで馬のお世話をしています。
牧場には現在、16頭の馬たちがいます。競走馬だったサラブレッドが10頭、ミニチュアホースや農耕馬だった寒立馬、木曽馬が6頭です。
写真の茶毛のサラブレッドはここのボス的な存在の「ホシオー」。人間の年齢でいえばもう90歳を超えているそうです。
サラブレッドの「レイズアスピリット」。ここに来る前は、雪のなかで放置され、危険な状態だったそうです。必死の看病とリハビリで、今は元気に走り回れるようになりました。
2020年の冬に牧場にやって来た寒立馬の「ハナ」は、子どもたちを乗せて友達になれるように、いろいろ勉強中です。
その日の気温や天気、馬の体調にもよりますが、日中は放牧しています。「松原ステーブルス」は、11時~16時の間は予約不要、入場無料で見学ができるので、ぜひ気軽に馬たちに会いにいってみてください。草を食んだり、のびのびと走り回ったりする馬たちの姿は、ずっと見ていても飽きません。やさしい表情に癒やされますし、しぐさもとてもかわいいですよ。
放牧していないときは、厩舎のなかの馬たちを近くで見ることができますよ。
馬たちがストレスなく、安心して暮らせる環境づくりのために、365日休みはありません。餌はそれぞれの馬にあわせていて、量だけでなく内容や切り方まで変えているそうです。
体を洗ってもらったり、寝床もきれいにしてもらったりして、馬たちもよろこんでいるみたい。レイズアスピリットもこの笑顔です!
馬をより身近に感じ、好きになってもらえるよう、乗馬体験も行なっています。小さいお子さんや大人も気軽に体験できる「ワンコインコース」は、スタッフが引き馬をして、馬場内を3周します。
馬にも人にも負担にならないよう、馬具は必要最小限。乗り降りは丁寧に教えてもらえるので、初心者でも大丈夫ですよ。前日までの予約が必要です。
中学生以上が対象ですが、牧場の周りを1周する「森林外周コース」もあります。馬の背に揺られ、高い目線から見える360度の景色と、かすかに感じるそよ風が、何ともいえず気持ちいいです。
もちろん、スタッフが引き馬をしてくれるので、安心して楽しめます。乗馬しながら馬のことや牧場のことなどお話もいろいろ聞けるので、ぜひ質問してみてください。こちらも前日までに予約が必要なのでお忘れなく。
タイミングがあえば、予約なしでも10歳未満のお子さんはミニチュアホースの乗馬が無料でできるそう。スタッフに声をかけてみてください。
実は、馬にリラックスした姿勢で乗ることで、体幹を中心にバランス感覚のトレーニングにもなるそう。歩くことが困難な人も、馬に乗っていることで歩行するのと同じ運動効果が得られるそうです。さらに、馬のあたたかく、触り心地のいい肌は、メンタル的にも人のストレスや不安を減少させる効果が期待できるそうです。
「松原ステーブルス」では、より多くの人に馬を好きになってもらおうと、公園や小学校、介護施設など、牧場の外にも馬たちがおでかけします。出張ふれあい体験の主役はミニチュアホースたち。やさしくなでてあげるとよろこびますよ。
馬が人にもたらす影響はとても大きく、すばらしいです。「松原ステーブルス」で馬たちのやさしさにふれてみてください。
牧場をキャンプ場として開放しています。徒歩5分ほどのところにコンビニもあり、車で10分のところには温泉施設「紫雲の郷」もあります。牧場ステイを楽しんでみませんか。
馬と一緒に暮らす毎日は学びの連続で、人の心と体も育てます。宿泊(食事付き)の長期でも日帰りでもOK。子どもはもちろん、大人も気軽に参加できます。
馬をモチーフにした会員手づくりの小物や、馬の絵などを販売しています。買うことで、馬たちの命を救うことに協力できます。
所在地 新潟県胎内市築地字築地原2484
電話番号 070-8489-8787
営業時間 11:00~16:00 ※時期や天候により変更になる場合あり
定休日 年末年始
駐車場 あり(12台)