岩手県花巻市のJR花巻駅から徒歩で約15分。商業施設「マルカンビル」内に、2020年7月に誕生した木育施設「花巻おもちゃ美術館」はあります。
マルカンビルは、もともと「マルカン百貨店」という名前で花巻市のランドマークとして愛されていました。2016年に一度閉店したものの、街のシンボルだった同店の閉店を惜しむ声が多く、地元の高校生が存続を求める署名活動を行なったほど。
その後、花巻市内の若手経営者がプロジェクトを立ち上げ、閉店発表の翌年にマルカンビルとして営業を再開し、今では大勢のお客さんが訪れています。
花巻おもちゃ美術館は、「マルカンビルのように多くの人に親しまれる場所をつくりたい」という想いから「東京おもちゃ美術館」の姉妹館としてオープンしました。
岩手県花巻市は、詩人・童話作家の宮沢賢治の故郷であり、東北有数の温泉地でもある、文化と自然が豊かな街。おもちゃを通して地域がもつ魅力をたくさんの人に感じてほしい、そして世代を超えた交流の場になってほしいという願いも込められています。
館内は10のゾーンに分かれ、岩手県らしさ・花巻市らしさがあふれる遊び場が充実。
例えば「秘湯のもり」では、温泉卵のような形をした木の玉を敷き詰めたボールプールになっていて、花巻の温泉をイメージしています。お子さんは全身浴風に、大人は足湯感覚で腰かけて足裏のツボ押しをしたりと、楽しみ方はさまざま。木の玉にはヒノキが使われているので、見た目だけではなく香りでも温泉気分を味わえますよ。
ほかにも、ぶどう栽培が盛んな花巻市にちなんだ遊具「ぶどう狩りの木」や、宮沢賢治の作品『注文の多い料理店』を題材にした組み木のオブジェ「おもちゃのもり」など、遊びながら花巻の魅力に気づける仕掛けがいくつもあります。
なかでも、岩手県の名物グルメ・わんこそばをモチーフにした「わんこそばオセロ」は、世代を問わず楽しめるおもちゃと好評です。外は黒色、なかは赤色のお椀をオセロの石に見立てて遊ぶオセロ風の遊びで、ゲームを進めるうちに盤上に増えるお椀は、次々と積み上げられるわんこそばのお椀のようです。
お子さん以上に大人が夢中になると評判なのが、柱状の積み木を組みあわせて作品をつくるおもちゃ「KUMINO」。想像力を目いっぱい使う遊びは、お子さんから大人まで、心をわくわくさせてくれます。
“おもちゃ”というとお子さん向けの印象がありますが、花巻おもちゃ美術館は幅広い世代が楽しめる空間です。家族で訪れて、遊びながら花巻市の豊かな資源や文化を感じてみませんか?
マルカンビル内にあるレストラン「マルカン大食堂」の名物・ソフトクリームをおもちゃで再現。積み木を1段ずつ積み上げるバランスゲームで、夢のようなソフトクリームをつくりましょう。
「マルカンビル大食堂」は、こちらの記事で詳しくご紹介中です!
花巻 |「マルカンビル大食堂」昭和レトロな雰囲気でいただく10段ソフト!マルカンラーメン!
https://odecafe.tohoku-epco.co.jp/article/58
「赤ちゃん木育のもり」は、小さなお子さんでも楽しめるおもちゃが豊富なゾーン。館内には授乳室や鍵付きのロッカーなどもあるので安心ですね。
館内にはおもちゃ学芸員が常駐しています。おもちゃの解説や、花巻市のことを教えてもらえますよ。